世の中を信じることはムズカシイ。【メディア・リテラシーを考える】

世界を信じるためのメソッド―ぼくらの


ぼくらの時代のメディア・リテラシー

「よりみちパンセ」っていう理論社のYA新書シリーズ。確かもう3期ぐらいまで発刊されています。このシリーズのキャッチコピーみたいなのが、「学校でも家でも学べない、キミの知りたい、リアルでたいせつな知識が満載!!」ってなっているんですけど、なるほど納得のラインナップです。自分が中学生の頃にこのような良書のシリーズに出会っていたら、どんなによかったろう!おまけに、装丁が祖父江慎さん、装画が100%ORANGEってとこが、またまたステキです。(以前、青山ブックセンターで開催された原画展を見に行きました〜。)しかしながら素敵なシリーズなのでつやつやはずっと気になっていたにも関わらず、今まで読んだ事はありませんでした。で、このまえ古本屋さんで見つけて買ったのがこの、「世界を信じるためのメソッド―ぼくらの時代のメディア・リテラシー」(著/森達也)。シリーズ全部がそうなのですが、中学生向けで分かりやすく書いてあって、文字も大きくてすぐに読み終えられます。だけどもさっくりと読める軽さはあっても、そのテーマの重みはズシンズシンと身体にひびきますヨ!
ほぼ日刊イトイ新聞→「よりみちパン!セ:特設ページ

世界を信じる?

※以下はamazonのカスタマーレビューより。世界を信じるためのメソッド―ぼくらの時代のメディア・リテラシーの内容について内容が的確に述べられていたので転載させていただきマス。

世界の出来事を正しく、きちんと知るために、テレビをはじめとするメディアはとても重要。でも、メディアは間違えることがあるし、たとえ間違いでなくても、その報じ方によっては、受け手の印象が全く変わってしまう。メディアの情報を鵜呑みにして間違った世界観を持たないためには、「メディアを批判的に読み解く」ことと、「メディアを主体的に受け取る」ことが必要になってくる。この括弧で囲んだことが、メディア・リテラシーの意味。メディア・リテラシーは、メディアを有効に活用するために、そして正しい世界観を持つために、なくてはならないメソッド(方法)である。
以上のテーマが、松本サリン事件やファシズムによるプロパガンダの例を通して、分かりやすく語られていきます。「メディアが公正中立で客観的だなんて、とんでもない間違い。何を報道するかしないか、どんなふうに編集するかで、すでに人の主観に左右されているのだから」という著者の主張がすっと頭に入ってきました。
また、若い人たちに語りかける文章の調子をとっている。で、それがちっとも鼻につくものでなく、親しく心に響いてきたところ。すとん、すとんと腑に落ちてゆく論旨の展開と相俟って、実に風通しのいい文章でしたね。2007年6月3日付の朝日新聞の読書欄で、作家の梨木香歩さんが取り上げていた文章に関心を誘われて読んだ本。理論者の「よりみちパン!セ」シリーズの一冊。  By 風さん

うん、世界を信じたい!でもでも...。

今、僕たちはほとんどがテレビを通して、世の中のことを把握しています。自分の目で見るような実体験なんてすごく少なくて、外国の事や事件や芸能ゴシップやら、そのどれもが全部、メディアからもたらされたものたちばかり。それが当たり前すぎて、普段考える事も無かったけど、改めて考えるととっても恐ろしいことです。しかしながら、一旦、そういう目で報道に接し始めると、疑いだしてしまい、もう切りがありません...。(( ;゚д゚))アワワワワ...。う〜〜ん、困りました...。怖くて、のんびりカワイイもののコトだけ考えて生きていけなくなってくる....。世の中の闇がこっちに迫ってくる...。これってもしや、フォースの暗黒面が.....。暗黒面に引き寄せられてる?......(( ;゚д゚))アワワワワ...。でもでも、考えていかなきゃならないコト。「世界を信じるためのメソッド」は、オトナが読むとより考えさせられてしまう、そんな本です。つやつやもそろそろ真面目なコトも考えなきゃならないお年頃なのですネ...。


※このエントリーはつやつやビジョンblogに以前掲載した記事「世の中を信じることは、とってもムズカシイ。」(初出2007.6.28)を加筆修正したものです。※同じ著者による「いのちの食べかた」も必読!カモです。